一般社団法人 日本医療協会
Japan Medical Care Association

子供の頻尿の原因は?

頻尿を訴えて小児科を受診するお子さんは意外に多くいます。

ほとんどは心因性のもので尿検査でも異常は認めませんが、排尿時痛を伴う頻尿は尿路感染症であり早期発見・治療が重要です。

また、水分を異常なくらい摂取して多尿を伴う場合は糖尿病などを疑わなければいけませんが、それほど多くありません。

ここでは小児科外来で遭遇することがある以下の病気について見ていきましょう。

尿路感染症(急性膀胱炎、出血性膀胱炎)

「尿路」とは一体何でしょうか?

尿路は腎臓で作られた尿が体外に排泄されるまでに通る通路のことです。腎臓は尿を作る場所で、膀胱は尿をためる場所です。腎臓と膀胱をつなぐ管を尿管といい、膀胱から排泄されるときに通る管を尿道といいます。

尿路感染症のうち、頻尿や排尿時痛が主訴になりやすいのは膀胱炎です。

1.急性膀胱炎

膀胱炎は女の子、特に年長児に起こりやすいといわれています。

多くの場合で発熱はみられません。乳児は症状を訴えることができないので、発見が遅れがちな病気の一つです。

1.原因

急性膀胱炎の原因は細菌感染です。大腸菌、クレブシエラ、プロテウスが3大起因菌といわれています。

2.症状

急性膀胱炎の症状は頻尿、排尿時痛、排尿後の下腹部の痛みです。これらは膀胱刺激症状といわれ、膀胱炎に特徴的です。

尿検査では膿尿を認めます。膿尿とは白血球の混ざった尿のことを指し、ひどい場合は濁った尿になります。

3.治療

基本的には抗生剤投与で治癒します。

水分をたくさん摂取してどんどん排尿し、細菌を洗い出すことも大切です。

排尿時痛、頻尿などをお子さんが訴えた場合は早めに小児科を受診しましょう。発熱もみられるときは急性腎盂腎炎の可能性があるので注意が必要です。

2.出血性膀胱炎

膀胱は薄い膜でできた尿がたまる袋状の臓器です。出血性膀胱炎はその名の通り出血を伴う膀胱の炎症で、赤みのある尿が特徴です。

ただし軽症の場合は赤く見えないので、発見が遅れる可能性があります。目で見て赤いと分かるような血尿を肉眼的血尿といい、目で見ても分からないくらいの血尿は顕微鏡的血尿といいます。

1.原因

小児ではアデノウイルスによるものが最も多くみられます。細菌により生じることもあります。

また医薬品が原因で起こることもあり、抗アレルギー薬や抗生剤による出血性膀胱炎が過去に報告されています。

2.症状

典型的な症状は肉眼的血尿、排尿時痛、残尿感、尿意切迫感です。比較的軽症の場合には顕微鏡的血尿となります。膀胱炎では基本的に発熱はありません。

重症例では出血塊により膀胱が詰まるので、尿閉が起こって痛みが生じます。最終的に腎不全になる可能性もある怖い病気です。

膀胱炎では発熱がなく、また小さなお子さんはなかなか自分で症状を訴えることができないため、発見が遅れてしまうことがあります。

3.治療

小児のアデノウイルスに伴う出血性膀胱炎は多くが自然治癒していきます。しかし出血塊で膀胱が詰まってしまっては大変なので、症状に気づいたら早めに小児科を受診しましょう。場合によっては大学病院などの専門機関に紹介になります。

>>他の症状が気になる方はこちら

心因性頻尿

心因性頻尿は、その名の通り精神的な要因で頻尿になってしまうものです。

幼児以降の小児などに多く、何もしていない時などはかなり頻繁に尿意を催してしまう一方、ゲームをしたりテレビを見たりしている時にはトイレに行く回数は極端に減少します。

頻尿を訴えて小児科を受診するお子さんのほとんどはこの心因性頻尿です。

1.原因

心因性頻尿の最大の原因はストレスです。小児期はかなりのストレスがかかるといわれています。また子供ながらに、おもらしをしてはいけないと気にすることが多く、これも心因性頻尿を引きこす原因になります。

保護者がお子さんに「またトイレ行くの?」などと聞こうものならば、ますますストレスがかかり、尿意が増幅されてしまいます。

2.症状

排尿時痛や膿尿を伴わない頻尿が最大の特徴です。

膿尿かどうかは尿検査で分かります。心因性頻尿では尿糖など他の異常もみられません。

膀胱にまだ十分に尿が溜まっていないのに尿意を感じてしまうため、多くの場合1回の尿量は少なくなります。

3.治療

お子さんが頻尿の状態にあるときは一度小児科を受診しましょう。特に幼児は大人と違い症状をなかなか上手く訴えることができないので、重篤な病気が隠れている場合があります。尿検査などを行い、治療が必要な病気でないかを確認することが大切です。

保護者の方はお子さんのトイレ回数が多い時でも「また行くの?」などと言わず、「行きたくなったら行けばいいよ。」と、お子さんになるべくストレスをかけないようにしましょう。

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