一般社団法人 日本医療協会
Japan Medical Care Association

突発性発疹・水痘・風疹・川崎病について

その他の病気

突発性発疹

突発性発疹は主に生後4か月から1歳前後までの乳幼児がかかる病気です。突然の発熱の後、解熱時に全身にぶつぶつができるのが特徴です。

生後初めての発熱になる可能性が高いのですが、保護者の方は慌てずに落ち着いて小児科を受診しましょう。

1.原因

突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型もしくは7型の感染です。2種類のウイルスが原因となるため、2回かかる可能性があります。一度突発性発疹にかかったからといって安心はできません。

2.感染経路

突発性発疹の主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。

飛沫感染:くしゃみや咳によって口から飛び出す飛沫にはウイルスが混入しています。このウイルス付きの飛沫が他人の口や鼻の粘膜に到達することで感染が成立します。

接触感染:感染者との直接的な接触や、ウイルスの付着した物(手すりやドアノブ、ボタン・スイッチなど)を介しての接触により感染が起こります。

3.症状

突然38℃以上の発熱がみられ、2日から4日持続します。同時に軟便や下痢を伴うこともあります。この時期に、口の中(口蓋垂の近く)に永山斑と呼ばれる小さな赤い斑点が現れます。

解熱する前後には、小さな紅斑や紅色の丘疹が出現し、全身に広がっていきます。発疹は体幹から始まり、上肢、首周りの順に広がりますが、顔面や下肢にはそれほどみられません。この発疹は1日から2日で消えます。

合併症で多いのは熱性けいれんです。まれですが脳炎もみられます。また大泉門の膨隆を呈することがあります。

4.鑑別が必要な疾患(間違えやすい病気)

突発性発疹で鑑別しなければいけない病気には以下のものがあります。

①中耳炎

中耳炎でも高熱が持続します。ただ、中耳炎の場合は耳を触ると痛がったりひどく泣いたりします。

②風疹

風疹でも高熱が持続します。突発性発疹との違いは、発症の初期からぶつぶつができることです。また首のリンパ節が大きく脹れあがります。

③麻疹

麻疹でも高熱が持続します。麻疹は、口の中(頬の粘膜)に赤みを伴った白い小斑点ができることが特徴です。コプリック斑と呼ばれています。突発性発疹の場合には永山斑と呼ばれる小さな赤い斑点が口の中にできます。これが麻疹と突発性発疹を区別する最大のポイントです。

5.治療

突発性発疹を予防するワクチンはありません。基本的には対症療法を行いますが、発疹は自然に消失していきます。

乳幼児で38℃以上の発熱が出た場合はすぐに小児科を受診しましょう。

生後初めての発熱はどんな親でもびっくりするものです。冷静に対応し、なるべく早い受診を心掛けてください。

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水痘(みずぼうそう)

水痘は一般的には「水疱瘡」(みずぼうそう)と呼ばれています。9歳以下の小児に好発するウイルス感染症で、国内では年間100万人程度が発症し、一部重症化します。

ウイルスは症状が治まった後も神経の奥深くに潜み、体力や免疫力が落ちてきたときに帯状疱疹として再発することがあります。

水痘は学校保健安全法の第2類学校感染症に指定されています。すべての発疹がかさぶたになるまでは出席停止です。

1.原因

水痘の原因になるのは水痘帯状疱疹ウイルスと呼ばれるヘルペスウイルスの一種です。

水痘帯状疱疹ウイルスを含め、ヘルペスウイルスはいったん感染が成立すると症状が軽快した後も神経の奥深くに潜み、体力が落ちたときに再発する特徴があります。

2.感染経路

水痘帯状疱疹ウイルスの感染経路は、飛沫感染、空気感染、接触感染です。

飛沫感染:くしゃみや咳によって口から飛び出す飛沫にはウイルスが混入しています。このウイルス付きの飛沫が他人の口や鼻の粘膜に到達することで感染が成立します。

空気感染:飛沫核感染とも呼ばれます。ウイルスが、咳やくしゃみで飛沫として飛散した後に空気中で水分が蒸発し、飛沫核と呼ばれる微粒子になってしばらく空気中を漂うことがあります。この飛沫核が人の呼吸で体内に入り、感染が成立します。

接触感染:感染者との直接的な接触や、ウイルスの付着した物(手すりやドアノブ、ボタン・スイッチなど)を介しての接触により感染が起こります。

3.症状

潜伏期間は2週間前後です。

典型例では、虫刺されのような赤いぶつぶつで始まります。次第にみずぶくれに変化し、最終的にはかさぶたになって軽快します。発症初期には虫刺されと区別がつかないので注意が必要です。

水痘後にブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌感染や、脳炎などの中枢神経合併症を起こす場合もあります。

成人が初めて水痘に感染した場合は非常に重症になることがあるので要注意です。

4.治療

原因はヘルペスウイルスの一種である水痘帯状疱疹ウイルスの感染なので、発症後48時間以内にアシクロビル内服をすると軽症ですむことが知られています。

水痘による高熱に対して解熱剤を使用するときはアセトアミフェンを使用しましょう。アスピリンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を使用すると、Reye症候群と呼ばれる急性脳症を発症する場合があるので使ってはいけません。

5.予防

水痘の予防には水痘ワクチンが有効です。2014年に水痘ワクチンは定期接種となりました。2回の接種が必要です。1歳になったら水痘ワクチンを接種しましょう。ただし、生ワクチンなので副反応には注意してください。

特に女の子の場合、将来妊婦さんになったときに水痘に感染すると重症化してしまうので、しっかりと予防接種を受けましょう。

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風疹

風疹は風疹ウイルスに感染することで起こる急性の感染症です。以前は乳幼児から学童に好発していましたが、最近ではワクチン接種により激減しています。流行は春から夏にかけて起こります。

感染力は麻疹(はしか)や水痘(みずぼうそう)のように強くはありませんが、妊婦さんが特に妊娠初期にかかった場合に、胎児が先天性風疹症候群を発症してしまうことがある恐ろしい病気です。

学校保健安全法では第2種に指定されており、発疹が消えるまでは当校は禁止されています。

1.原因

風疹の原因は風疹ウイルスの感染です。風疹ウイルスはトガウイルス科のルビウイルス属に属するウイルスで1本鎖RNAウイルスです。人間だけを宿主とします。

2.感染経路

風疹の感染経路は飛沫感染と接触感染です。

飛沫感染:くしゃみや咳によって口から飛び出す飛沫にはウイルスが混入しています。このウイルス付きの飛沫が他人の口や鼻の粘膜に到達することで感染が成立します。

接触感染:感染者との直接的な接触や、ウイルスの付着した物(手すりやドアノブ、ボタン・スイッチなど)を介しての接触により感染が起こります。

3.症状

風疹は2週間から3週間の潜伏期間を経て発症します。数日間続く赤いぶつぶつした発疹とリンパ節の腫れ、発熱などの症状を呈します。

乳幼児では症状は比較的軽いのですが、脳炎や血小板減少性紫斑病などの重篤な合併症を引き起こすことがあるので要注意です。

風疹ウイルスに感染しても約30%の方は発症せずに不顕性感染で終わるようです。

成人で風疹に初感染すると重症化するので、ワクチンを接種しておくことが大切です。

4.治療

風疹ウイルスに対する特効薬はないので、対症療法を行います。発熱時は基本的にアセトアミノフェンを使います。

5.予防

MR(麻疹・風疹混合)ワクチンを第1期と第2期の2回接種します。第1期は1歳、第2期は5~6歳の小学校入学前1年間に行います。風疹に感染する前の接種が基本なので、1歳になったらすぐにワクチンを接種しましょう。

ここで注意が必要です。

平成2年4月2日以降に生まれた方は定期接種でMR(麻疹・風疹混合)ワクチンを2回接種されますが、それ以前に生まれた方は基本的には1回しかワクチン接種が行われておらず抗体が十分ではない可能性があります。抗体が十分にない場合は2回目のワクチン接種をお勧めします。

6.妊婦さん、妊娠を希望する方への注意点

妊娠中、特に妊娠初期に風疹にかかってしまうと先天性風疹症候群を持った赤ちゃんが産まれてくる可能性があります。

妊娠を希望している女性の方は自分が風疹ウイルスに対する抗体を持っているかどうか、産婦人科などの医療機関で検査を受けて確認しましょう。子供の頃に予防接種を受けていても抗体が十分にない場合があります。同時に、配偶者や一緒に暮らす家族の方も抗体があるかどうか確認してください。もしも抗体が十分にない場合には、すみやかにワクチン接種を行いましょう。

先天性風疹症候群:3大症状は難聴、先天性心疾患、先天白内障です。先天性心疾患と先天白内障は妊娠3か月以内の母親の感染でみられ、難聴は妊娠6か月までの感染で起こりうるといわれています。3大症状以外にも、肝脾腫、網膜症、精神運動発達遅滞、糖尿病など、さまざまな病気を発症する可能性があります。

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川崎病

川崎病は1967年に小児科医の川崎富作先生によって発見された病気です。

主に4歳以下の乳幼児に好発し、中血管である心臓の冠動脈に病変を形成して虚血性心疾患を引き起こします。

小児の血管炎では比較的頻度が高く、重症化したり後遺症を残したりする可能性がある怖い病気です。

1.原因

原因は未だはっきりとしていません。これまでさまざまなウイルスや細菌などが川崎病を引き起こす要因になるのではないかと考えられてきましたが、現在でも不明のままです。

発症機序は次の通りです。マクロファージなどの免疫細胞から放出されるサイトカインと呼ばれるさまざまな伝達物質により血管壁に炎症が起こります。すると炎症により血管の透過性が亢進して血管外への血漿タンパクの漏れ出しなどが生じ、結果的に様々な症状が引き起こされます。

2.症状

川崎病の主要症状は以下の通りです。

5日以上続く発熱
口唇の紅潮や苺舌、咽頭粘膜のびまん性発赤
不定形の発疹
両眼の結膜充血
化膿性でない首のリンパ節腫脹
四肢末端の変化(浮腫と紅斑)

また、心エコーで冠動脈病変を認めることがあります。まれですが心筋梗塞につながることもあるので要注意です。

3.治療

心臓の冠動脈病変が発生する前にいかに血管炎を抑えるかが、治療において最も大切なポイントです。

次のような治療が行われます。

ガンマグロブリン大量療法
アスピリンによる抗凝固療法

ただし、ガンマグロブリン大量療法の効果が乏しい際にはメチルプレドニンのパルス療法や血漿交換療法が行われます。

早期に発見し治療を開始することが非常に重要です。原因不明の発熱や苺舌などが見られた場合は、できるだけ早く小児科を受診しましょう。

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